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開業事例

医師

専門性を生かし、それを打ち出すことのメリット・デメリット 業者まかせにしないことも成功のカギ

開 業 日:H22年
開業年齢:42歳
標榜科目:専門内科
開業形態:クリニックビル

 私は内科でも専門の疾患を専門としており、その専門性を生かしたかったため開業しました。病院の勤務医だと時間的な制限などもあり外来でなかなかその専門性が発揮できない。専門性を生かすために開業場所を探すにあたっては、いかに患者を紹介してもらえるか、特に近くの病院といかに連携が取れるかを考えていました。ベストは以前の勤務先の近くに開業することであり、それが開業後の患者確保などに安心感をもたらすことになるかとは思いますが、様々な事情があり「落下傘」的開業になったわけです。
 開業にあたり相談したのはコンサルタント業者です。ビルテナントでの開業なのですが、ビルテナントのオーナーとコンサルタント会社が専属契約を結んでおり、当初は開業場所を探していただいたその業者と、もちろん有料で準備を進めていく手はずだったのですが、オーナーとコンサルタント会社との間でトラブルが発生し結果的にコンサルタント料が無料になったのです。ただ、"安かろう悪かろう"ではありませんが、無料契約になった途端そのコンサルタント会社はそれなりの働きしかしない、というより全く動こうとしないのです。忙しい中、開業準備を進めていく過程で本当にこれは困りましたね。しかしその後。その業者が勧めてくる医療機器業者、建築・設計業者などの中に、コンサルタント分野も行っている信頼できそうな業者(担当者)が見つかりました。実際はそちらに相談しながら開業準備を進めていったわけで、それに救われたということです。
 コンサルタント業者は本当にピンキリなんだなと感じます。勤務医を続けながらの開業準備、やはりどこかにお世話にならない限り完全セルフの開業は無理です。改めてその見極めが重要なのだと感じています。しかし信頼できると思うコンサルタント業者であっても完全に"お任せ"では開業費用が大きく変わってしまいます。コンサルタントはあくまで"手足"でありそれ以上ではないということは認識すべきです。コンサルタント業者からは様々な機器について繋がりのある業者を勧めてくる、そしてその中間マージンで儲けを出すわけです。自分で交渉を行った結果、価格について実際は「ここまで落ちるのか」というのが正直な感想です。自分で主導的に価格交渉を進め、様々な情報収集を実施し適正な価格の価値基準を持つこと、これが重要です。
 準備段階では建築(内装)関係でトラブルを抱えました。コンサルタント業者に紹介された設計業者は、実はホテルなどを専門としているところだったのです。我々は医療以外についての知識は乏しい、図面を見ただけでは気づくことができない部分も多くあります。実際に内装工事が完了した結果、受付の高さが医療機関にしては高かったこと、待合室の造りがそれこそホテルのような間取りとなり患者同士が向かい合うようにしか椅子を配置できないこと、トイレが無駄に豪華な造りであること-など多くの弊害を生みました。やはり医院開業実績のある業者を選定すべきだと思います。
 私は前段でお話ししたように専門性を打ち出したくて開業しました。またこれが集患にも役立つと思い、宣伝・広告の意味でも専門性を打ち出すことのメリットを求めていたのです。内科を中心として開業している医院は現在飽和状態であることは意識していましたので、「(専門)内科」と標榜することにより一定の慢性疾患患者が確保できる、病院からの紹介も一定期待できると思っていたのです。しかしその「専門性の打ち出し」にデメリットもあることが開業してからわかりました。専門内科と打ち出すことにより、普通の内科疾患の患者の来院が全くと言っていいほどない、開業当初はそういった意味で苦労しました。慢性疾患患者が多いということもあり、一定軌道に乗れば引き続き来院(再診)を期待できるかとは思いますが、その辺は開業前の予想と大きく乖離していた部分の一つです。

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