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開業事例

医師

"丸裸になったときに果たして何ができるか"それを考える

開業日:平成20年12月
開業年齢:35歳
標榜科目:内科
開業形態:一戸建て

 「看取りの医療がしたかった」。これが開業したきっかけです。勤務医時代から開業するイメージを持ち、開業資金もコツコツと貯蓄し、開業に際しては3つの地域で業者に診療圏調査を依頼しました。最終的には地の利もある現在の地域を選択し準備を進めてきました。
 設計・建築関連は地元の建設会社に依頼、父が他県で歯科医をしている関係もありましたので相談しながら価格交渉を行ないました。よく他の先生の開業事例を見ると、コンサルタント業者の言いなり(言い値)で契約させられてしまっている例も多く聞きます。それは先生個人で判断しようとするから起こる失敗であり、開業は一人ではできない、これを肝に銘じるべきです。使える伝手は使う、相談できるところには相談を、これが大事だと思います。
 スタッフについては前勤務病院の職員の方々にお願いしました。これは病院から引き抜いたというとことではなく、しっかりとした話し合いを持ち、ちょうど結婚や出産のタイミングも重なり休職期間もありましたので、そのタイミングでこちらに移っていただいたということです。診療所経営にはスタッフの存在は非常に大きなものです。完全に一から採用するとなると一定のリスクがありますが、人柄も仕事振りも知っている方にお願いできるのは、開業後の診療が円滑に進む大きな要素となっています。
 開業に際しては、まず"丸裸になったときに何ができるのか"これを具体的にイメージできなくてはいけないと思います。勤務医時代には、自分のやりたい医療を行なえる医療設備がある程度揃っているわけですが、開業してからはそうは行きません。そういった状況になったときに患者に何が提供できるのか、これは重要です。医療機器などの購入についても、しっかりと費用対効果を見極め、抱える借金の返済計画を考えなくてはならないと思います。開業後の資金計画については3段階に分けて試算しました。まずは、①自分でこれくらい患者がほしい、言わば希望する来院数での試算、②そして診療圏調査も考慮した形の実際的な試算、③最後に来院患者数を最低限に見積もった試算です。私が開業する前に実際に考えた資金繰り計画は③での試算であり、集患が思うようにいかない状況が来ても借金を返せるだけの計画を立てているおかげで、実際現在は想患者数を上回っている状況にありますので非常に順調に推移しています。
 宣伝については内覧会の案内を新聞折り込みで2回行ないました。高齢者は比較的、1週間単位で生活スケジュールを組むことが多いように思っています。そのため、まずは内覧会1週間前に1回、そして直前にもう1回チラシ折り込みを行なった結果、延べ600人以上の方々にお集まりいただき、クリニックの存在を知っていただくことができたことは非常に有益だったと思っています。宣伝は、費用対効果を考えると"とりあえずやってみよう"ではダメだと思います。
 やはり、どんな場面でも将来的な具体的なイメージを持つことが大事だと思います。そして"つながり"を大切にすること。今は、勤務時代の病院から研修医も受け入れています。そうすることで、病診連携も上手くいく、最終的には地域医療の復興にもつながると思っています。開業は、自分自身ができること、専門家などに相談すること、これを棲み分けることが大きなカギになると思います。

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