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落下傘型の開業は慎重に 開業後しばらくの苦労は覚悟を

開業日:平成20年12月
開業年齢:49歳
標榜科目:泌尿器科
開業形態:テナント

 開業を決心したのはその年の1月です。それまで病院で勤務していましたが、他の当直当番やペーパーレス化による電子カルテの導入作業など仕事量がますます増え、一人医長のため365日オンコールの状態でした。手術なども何歳まできるかとかと考えたときに、医療法人を設立している先輩医師から、一緒に分院としてやらないかという相談があったことが開業の大きなきっかけです。当初は、法人の分院が目的でしたので"開業する"という意識はあまりありませんでした。しかし医療政策金融公庫に融資相談をした際に分院だと融資を受けることができないということで、結局私一人での開業ということになりました。今では、法人化せずに自分の医院として開業していますが、前出のことから、いわゆる落下傘のような状態での開業となりました。
 開業する以前のイメージでは、勤務していた病院からなど、それなりに患者さんが受診しに来ると思っていましたが、現実は全く違いました。周囲に知っている病院もなければ医師もいない。これは非常に大変なことです。診療圏調査も業者に依頼して行ないましたが、数字どおりにはいかないのが現状です。私のような落下傘の開業は人脈などの面でもしばらく苦労します。
ビルテナントでの開業ですが、11月に開業する予定が、予期せぬ事態により1ヶ月遅れました。この建物が半地下になっていることもあり、工事途中で大雨が降り浸水してしまったのです。内装の具体的な工事をしてなくてよかったのですが、対策として床を上げることになり、費用はオーナーと折半となったため急な支出を迫られました。外見上、問題ない立派な建物でも、建物の構造には注意をした方がよいと思います。
 内装は、最初クリニックを専門にやっている業者から見積りを取ったのですが高く、別の工務店に依頼をしたところ、非常に安い費用で問題もなく出来ました。医療専門業者は建築のノウハウはあるかもしれませんが、費用は高い傾向があるようです。
宣伝の関係で驚いたのは、ホームページ業者から多くの営業電話がかかってくることです。泌尿器科という特殊性もあるかもしれませんが、高齢者はホームページを見て受診するという方は少ないのが現状です。結局は口コミになりますが、患者さんへのアンケートを参考にバスの広告を追加で行い少しずつ効果が現われてきています。
 特に落下傘開業の場合、運転資金は多くないと心配です。税理士に聞いても本当に安定するまでには1年半はかかるとアドバイスを受けました。最低でも1年分の運転資金があった方が安心です。前勤務病院から何人かは患者さんが遠くても来てくれていますが、病院の近くで開業すれば初期がもう少し楽だったと思っています。

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