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開業事例

医師

前勤務先との関係性に注意

開業日:平成20年7月
開業年齢:41歳
標榜科目:内科
開業形態:テナント

 開業の動機は、癌に対して最先端の治療を行いたいということでした。大学病院では外科医の傍ら、抗癌剤治療や免疫療法をやっていました。基本的に一人の人間が、午前中手術をし午後は病棟の回診、その後抗癌剤の指示を書くなどの事務処理、自分の研究を始められるのが夜中の12時、寝るのが4時、そんな状態でした。1つのグループで患者さんを30~40人診なければいけなかったので、体力的にもう限界でした。その時にがんセンターで研究をしていた上司が専門の診療所を立ち上げた関係があり、免疫療法専門のクリニックの分院長として勤務しました。しかし勤務先医院の移転の事情があり、移転先で意見が分かれ、結局独立することになったのです。
 開業したテナントは約150坪です。当初はさすがに広すぎると思い、テナントを半分で間借りすることはできないかと交渉しましたが、全体のフロア貸ししかできないと言われました。友人の皮膚科医と一緒にという話もありましたが、結局友人が勤務先の大学病院を辞められず、150坪での開業となり、開業資金は予想外にかかりました。普通のクリニックの倍以上はかかっていると思います。
 7月に開業しましたが準備は前年の12月からです。借りたテナントは3月末まで他が使用していましたので、工事を4月開始と考えていましたが、実際工事が始まったのは5月途中からでした。なかなか計画通りには進まないものです。
 開業資金は、コンサルタントから紹介のあった税理士に試算していただきました。自己資金は500万円で、運転資金や設備投資も含めて相当額が必要でしたが、偶然、患者さんで貸してくれる方があり助かりました。これは他の開業ケースとは異なります。
 開業後は、当然前の勤務先の方で通われていた患者さんが来院します。私としてはそれは自然なことだと思っていましたが、前勤務先から患者を引き抜いたという風に解釈され、引き抜き行為は違反とする内容証明が届きました。弁護士に相談すると、前勤務先を退職する際に、「この患者さんとこの患者さんは今後うちの方で経過を診る」ということを念のため確認しておいたほうがよかったということでいた。おそらくこれから開業する先生も、患者さんは医師についてきます。患者さんはクリニックの財産です。トラブルを抱えないためにも、念のため前勤務先との確認を取っておいた方がいいのかもしれません。
 クリニックの宣伝はホームページを自分で作成しました。看板は最寄り駅に半年だけ出して下げました。結局、広告宣伝は費用対効果ということになります。本来、患者を紹介して来てもらう、口コミで来てもらうのが基本だと思います。今はインターネットでリスティング広告などについて多少費用をかけていますが、宣伝はそのくらいです。
 開業にあたっては、医師以外の業種の方と多く出会います。それが果たして自分にとって敵か味方か判別することが重要です。取引や契約、これは病院の中で働いていた人間にとっては無縁の世界です。最終的には税理士などの専門家を信頼できるかどうか、これが一番肝要です。そして最後は自分の勘が頼りだと思います。

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