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開業事例

医師

戸建診療所が持つ資金面・体力面のリスク

開業日:平成2年10月
開業年齢:35歳
標榜科目:眼科
開業形態:戸建ビル

  私の開業は、1990年に駅前のビル診から始まりました。バブルの真っ只中で、家賃が高い時に賃貸借契約をしたのですが、その後バブルがはじけても家賃は下がりませんでした。借りていた物件が手狭になってきたこともあり、開業から10年位経って戸建への移転を考え始めました。
2000年当時、政治的には構造改革がありながらも医業についてはまだ右肩上がりだったこと、また既に患者さんもついていたことから当初の計画では事業が十分拡大していけると考えていました。2004年に移転して数年が経ちますが、今は診療報酬も下がる一方で、当初の計画よりも多少収入は少ないです。今の厳しい時代を考えると、土地を購入して建物を建ててまでの開業は資金面からみてもリスクが高いと思います。無理に多額の借金をして開業後に焦るよりも、資金に余裕を持ち身の丈にあった開業をすべきです。自宅の購入を考えていて、周囲に医院もないという理由で自宅兼診療所にするなら戸建開業も一つの選択肢かと思いますが、患者さんの駆け込みなどにより24時間診療のような環境になる可能性も考えると、勤務医より大変になるかもしれません。
建物については住宅メーカーでも内装業者でも、舞い上がるような素敵なデザインのパンフレットを見せて、夢のあることを言います。素敵な建物でも、デザインにこだわりすぎると使い勝手が悪いこともあります。見かけばかりにとらわれず、先輩の診療所を見に行ったり、色々な話を聞いて考えることが大切です。住宅メーカーで建てるメリットとしては、アフターメンテナンスがしっかりしていることがあります。
ここ数年、住宅メーカーも医療分野に力を入れており、医療専門のスタッフの存在をアピールし、「開業地の選定から事業計画書、実際の開業まで任せて下さい」と言いますが、担当者によっては疑問に思う人もいます。
最近は勤務医より開業医の方が楽ではないかと考えて開業する先生も多いようですが、決して楽ではありません。何より経営者として医院経営を第一に考えなければなりませんし、自分が倒れたら最後です。患者さんの中にはクレーマーもいるので悩まされることもあります。なぜ開業したいのか、自分のコンセプトをしっかり持たなければやっていけないと思います。
今、開業セミナーは色々なところで開催されていますが、開業を決めると様々な業者が儲けを狙って寄ってきます。業者任せにしてしまうといいカモになってしまいます。また業者やコンサルタントの勧めでいわゆる落下傘開業しても、自分が勤務医として診療していた場所ならまだしも、そうでないなら集患についてなどよく考えるべきです。診療圏調査も業者によって出てくる数字は様々でそれだけを当てにするのは危険です。後悔しないためにも自分で良く考え、開業に対して信念をもち、先輩の診療所を見に行って色々な話を聞くことが大切です。

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