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開業事例

歯科医師

根拠のない自身や業者の口車に 乗せられただけの開業は“悲惨”

開業日:H21年
開業年齢:40歳代
標榜科目:歯科
開業形態:ビルテナント

 歯科医師の知人から、ある医療法人で訪問診療を中心に働かないかと誘われました。医局員時代に施設を訪問した経験もあったので、前の勤務先を退職して具体的に準備を始めました。すでに知人が複数の老人保健施設と訪問歯科の話を取り付けるなど、順調に準備は進んでいたのですが、知人と法人との関係が悪化、法人が訪問歯科から手を引くことになりました。だからといって老人保健施設との訪問診療の話を白紙に戻すわけにも行かず、止むなく訪問歯科での診療距離16キロメートル圏内での開業を計画し、テナント物件探しを業者に依頼しました。すると数年前まで診療していた居抜き物件を紹介されましたが、そこで示された過去の患者数は一定程度あり、業者からも「駅からは離れてはいるが、駅に向かう住民から最初に目に飛び込む歯科医院」だといわれ、さらなる来院患者が期待できるかのような説明を受けました。そのため、そこに訪問診療を組み合わせれば上手くいくのではと考え、公的金融機関から融資を受け、施設との約束もあるので約2ヶ月後にはオープンさせるという突貫工事で開業することにしました。壁の張り替え等は業者に任せ、後は自分で出来るところは徹夜で作業し、何とか開業に間に合わせることができました。ユニット等の主な器材は既存のものや中古を活用、デジタルレントゲンは新しく導入し、宣伝は、新聞折り込み広告とホームページで対応しました。しかし、いざ開業してみると期待には程遠い患者数で、2年前の患者数は全く当てになりませんでした。これでは事実上の新規開業です。勿論自分の医院経営の方針が間違っているからかもしれませんが、いくら開業までの期限が迫っていたとはいえ、業者の説明を鵜呑みにしてしまったことが悔やまれます。
 そんな私のような事例は稀だとは思いますが、タイムリミットを設定したような開業は避けるべきです。いろいろな意味で、時間的余裕は絶対に必要です。そして十分な時間をかけて冷静かつ客観的に分析し、勝機がなければ躊躇なく「やめる」。「何とかなる」「勤務医の時は上手くいっていた」「前医の来院患者数を考えれば大丈夫」など、“根拠の無い自信”や“業者の口車”に載せられただけの開業は悲惨です。とにかく慎重すぎるくらいの準備と覚悟が必要です。

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