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開業事例

歯科医師

商業施設における開業の落とし穴

開業日:H20年9月
開業年齢:47歳
標榜科目:歯科
開業形態:ビルテナント

 勤務医時代の歩合制の給与体系、クリニックの掛け持ち勤務など、体力的にも厳しくなってきたことが理由で開業に踏み切りました。開業準備は3カ月という短期間で行いましたが、勤務医時代から知り合いだった業者に開業のノウハウをアドバイスしていただきながら進めました。
 開業場所は、商業施設の一角を選定。施設内にあることは、買い物客に対して大きなアプローチとなります。そのため宣伝については、タウン誌、駅・バス停などの看板のみで、宣伝費用は最小限に抑えています。それでも買い物の次いでに通院される患者さんが多く定着しています。但し、商業施設ということから様々な制限もあります。例えば、施設の開店日は終日クリニックを開けていなければなりません。そのため、休診日は定期に設けることができなく、開業してからほとんど休みが取れていません。もちろん代診医を雇い、ローテーションを組んで勤務体制を整えていますが、クリニック内で何かトラブルが起これば責任者として休みでもその対応を行わなければなりません。商業施設の中で開業する場合、休診日や診察時間などはテナントの規定を遵守しなければならない点はとても窮屈に感じています。
 また、休日や夜遅くまでクリニックを開けることから、スタッフの勤務体制についても空きがないローテンションを組まなければなりません。そのため私のクリニックでは、パート・アルバイトを10名雇っています。普通の歯科診療所から見るととても多いと思いますが、休日や長時間の勤務を上手に割り振るための苦肉の策です。最初は10名をまとめることはとても大変でしたが、スタッフの中にまとめ役が一人出来ると、クリニックの雰囲気は大きく変わり、今ではスタッフ同士の関係も密なものになっています。ただその人任せにはせず、院長としてスタッフとは日常の会話などコミュニケーションを大切にし、常に接点を持つように心掛けています。
 スタッフの募集は、主に雑誌や新聞広告、インターネット求人サイトを中心に行いました。現在も求人をしていて感じることですが、携帯など簡単に求人サイトが見れるものから応募される方は、軽い気持ちで面接に来られる方が多いように感じます。雇ったとしても結局長続きせず、直ぐに辞めてしまうケースが多いのが傾向です。掲載する媒体によって、集まる年代や志望理由、モチベーションなどにも大きな差が出てくるので、求人を出す際にはどのようなスタッフを雇いたいかを明確にした上で、募集方法についても吟味することが重要だと思います。
 開業する前から勉強しておけば良かったと思う点は、税務の知識です。確定申告を何度か経験しましたが、自分の知識が薄かったことに大変後悔しています。勤務医時代、それほど係わることのなかった税務ですが、開業し一経営者になるとどうしても避けては通れない道です。税理士任せにはせず、最低限の知識は開業前から身につけておくべきだと思います。医療のことだけではなく、経営、雇用、保険請求のことなど目の前に大きく憚りますが、バランスよく知識を吸収していくことが大切ですね。

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