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開業事例

歯科医師

マンション住民とのトラブル 先を見据えた対応が功を奏す

開業日:H22年7月
開業年齢:45歳
標榜科目:歯科
開業形態:ビルテナント

 私は自宅近くの歯科医院に勤務していましたが、自分の理想的な歯科医療がしたいという思いが強くなり開業を決めました。開業にあたっては、前勤務先で顧問契約を結んでいた会計事務所に相談しました。開業する1年半前にその会計事務所とレセコン業者が共催する開業セミナーに参加したことがきっかけですが、この会計事務所が歯科医院の顧客を300件以上持っており、歯科開業医の事情に精通していたことが大きかったですね。親の伝手で別の会計事務所にも話を聞きましたが、歯科の開業ノウハウに乏しく、身内の紹介ではありましたがやむなくお断りさせていただきました。
 開業地選びは、前勤務先の退職時期がなかなか決まらなかった事が物件探しに影響しました。退職時期が決まらないといい物件を見つけても契約できず、何件も見送りました。開業する8カ月前には退職願を出して院長と退職時期を相談しましたが、代わりの勤務医がなかなか見つからず、結局退職できたのは開業する3カ月前。退職時期が決まるのとほぼ同時に現在の物件を見つけ、すぐ契約しました。近隣には歯科医院が密集していましたが、駅から徒歩5分と近いことも大きいですね。ただ、開業まで時間に余裕がなかったので業者との価格交渉を行う余裕がなく、設計と内装業者を分けて業者の言い値にならないよう配慮するなど最低限の対応しかできなかったのが残念でした。
 開業地選びについては、なるべく信頼できる相談相手にお願いした方がいいと思います。当初、内装業者に依頼していましたが、紹介してくるのは自分達の利益を重視した広めの物件ばかり。中には紹介物件の目の前に歯科開業医がいるところもあったので注意が必要です。
 開業前に困ったのは、医院入口の上に設置する看板です。マンションの1階を借りたので、横長の長方形の看板をマンションの1階上部に設置したところ、2階の住民から「看板が大きすぎて布団が干せない」と苦情が寄せられました。私としては、看板設置にあたり設計士とマンションのオーナーを通じてマンションの管理組合に事前に説明して了承を得ていたので納得がいきませんでしたが、結局住民の要望をのんで看板のサイズを小さくしたため、14万円の追加出費を強いられました。ここで揉めて住民との関係をこじらせたくなかったし、今後マンションの住民も患者として来院される可能性もあります。この見込みどおり、すでにマンションの住民も数名来院されています。そこから口コミで患者さんが増える可能性もあるので、突然の出費は痛かったものの、トラブルを回避できたと思えば安いものだと思います。
 患者さんに来院理由を聞くと、医院の目の前を路線バスが通ることもあってか一番見られているのは医院の看板のようです。最近は口コミの来院も徐々に増えてきています。広告・宣伝については、電柱広告を駅から当院に来るまでの間に設置したかったのですが、道なりにある電柱15本中12本に既に近隣の医院の広告が出ていたので、やむなく医院前を通り過ぎた通り沿いの電柱に出しました。今のところそれを見て来院された方はいないので、費用対効果を考え再検討しようと思っています。
 スタッフは歯科衛生士と歯科助手を1人ずつ正職員で雇い、残り2人をパートで採用しました。診療時間を20時までと遅めに設定したのでパート職員で募集しても都合がつく方がなかなか来なかったこともありますが、正職員で採用すれば責任を持って仕事をしてくれると考えたことも正職員を雇った大きな理由です。スタッフ募集の際には、新聞の折込広告などで近隣の歯科医院が提示する歯科衛生士と歯科助手の給与を調べ、それよりも高めに設定しました。おかげで歯科衛生士は5名、歯科助手も50名の応募があり、優秀なスタッフを採用することができました。このご時世、給与を少し高めにするだけでこんなに応募があるのだと驚きました。給与を高めに設定することは経営上長期にわたり負担になりますが、スタッフに高いモチベーションを持たせる上ではそれも選択肢の1つになると思います。

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