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歯科医師

居抜き物件の落とし穴 デメリットも十分に考慮すべき

開業日:平成19年6月
開業年齢:32歳
標榜科目:歯科
開業形態:ビルテナント(居抜き)

 この場所に開業を決めたのは「居抜き」だったからです。居抜きの紹介は、相談していた歯科業者からです。駅前の4階部分でしたがきれいな状態だったので決めました。融資は大手銀行の開業医ローンで無担保、無保証で借り入れ、総額2000万円(開業資金:1500万円、運転資金:500万)を用意しました。結果的には自己資金を使わずに開業しました。
 居抜き開業のメリットはとにかく開業資金が安いことです。居抜きは内装費などの必要はないので、残るはユニット代や居抜き契約の費用となります。
 しかし、居抜きもそれなりに問題があります。まさか前医院の評判のことまでは考えていませんでした。近くに住人に話しかけたところ「あそこはあまりよくない」、近くの薬局でも同じことを言われ医院名も変えた方がいいということまで助言いただきました。これは想定外でした。
 やはり最初の半年間は大変でした。前の先生は、患者さんに移転の話もしていない、患者さんから見るといきなり変わったという状態です。電話番号を変更したので、「繋がらない。どういうことだ」と問い合わせが多くありました。開業当初は前医院の印象を引きずり評判がよくなかったので、それを挽回するのに時間がかかりました。居抜き物件で、前も医療機関だった場合、前医の評判なども影響することを考慮すべきです。売る側は悪い評判については言いません。居抜きだから患者さんがついているというメリットはあまり期待しない方がいい。自分が一から始めるという覚悟でやることです。
 この駅周辺は、これから人口が増加する地域で、新規でここに住む方が多いことも物件を選んだ理由です。新患の7~8割がインターネットを見て来院します。患者さんからすれば歯科医院が至る所にあり、どこを選んだらいいかわからない。まず雰囲気や、どういう院長がやっているのかをホームページで事前に調査する人が多いようです。広告はインターネットです。駅看板を出し年間百万以上かけましたが患者さんは来ない。看板は必要ないと思います。
 職員の採用については、最初は正職員の歯科衛生士さんを雇いましたが、最初の半年間は全く患者さんが来なかったので辞めていただきました。基本的に最初は私一人で十分回せるぐらいの患者数だったので従業員がいない状態もありました。開業時点では資金的にマイナスからのスタートとなります。だんだんと運転資金が無くなってきて、また勤務医に戻って借金返しながら働こうかなとも考えました。これだけ歯科医院が多ければ厳しいのは当然です。相当の覚悟を決めて開業することです。

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